3月13日に、後期終業集会を行いました。
校長からのあいさつの後、本校の広報活動に協力していただいた生徒の皆さんに、感謝状を手渡しました。
終業集会でのお話の内容は以下の通りです。
皆さん、おはようございます。今日は今年度の最後の登校日です。明日から春休みを迎えます。そろそろ、校庭や通学路で、桜が咲き始める季節になります。私たちがよく目にするのはソメイヨシノという品種です。私たちが見ているソメイヨシノは、種から育った木ではなく、1本のソメイヨシノをもとに、接ぎ木などによって増やされた、いわばコピーです。中学校3年生のときに習った、栄養生殖ですね。日本各地で咲くソメイヨシノは、みな同じ遺伝情報をもつコピーです。花が咲くタイミングも同じ。だから、同じ時期に一斉に花を咲かせて、美しい光景となります。
しかし、この「同じであること」には、長所と同時に弱点でもあります。19世紀のアイルランドを中心に、ヨーロッパで起こった大飢饉です。飢饉とは、農作物が取れなくて起こる食料不足のことです。当時の アイルランドでは、多くの人々がジャガイモを主食としていました。また、このときアイルランドで栽培されていたジャガイモは、ほとんどが同じ品種でした。19世紀の半ば、その品種にかかるジャガイモの病気が広がり、ジャガイモは一斉に枯れてしまいました。収穫はほぼ無くなり、多くの人が食料を失いました。100万人ほどが命を落とし、さらに多くの人々が海外へ移住したといわれています。これは、主食を1つの作物の、ほぼ1つの品種に依存していたことが、大きな原因と言えます。
同じものだけで構成された環境は、とても効率がよく、整って見えます。一方で、予期せぬ変化や困難が起きたとき、その弱点が一気に表れてしまうリスクがあります。逆に、さまざまな違いを持つものが共に存在していると、互いに支えとなって、困難を乗り越えることができます。
このことは、私たちの社会にも通じるものだと思います。皆さん一人ひとりには、それぞれ得意なこと、興味のあること、考え方の違いがあります。その違いのせいで、うまくいかないこともあるかもしれません。しかし、その違いこそが新しい力を生み、集団を豊かにします。
この春休み、サクラの花を見つけたら、ちょっと今日の話を思い出してほしいと思います。そして、他人を尊重し、多様な考え方を大切にできる人になってほしいと思います。それが、社会が変化しても、困難を乗り越えて生きていく力につながるはずです。
新しい学年で、皆さんの元気な姿を見せてくれることを期待しています。これで私の話を終わります。



